乾燥剤による水分対策と異なるレトルト食品

食品の保存において重要となるのが腐敗や変質を起こす原因の対策で、これまでに分かっている原因としては、酸素や水蒸気、紫外線といったものがあります。そのために、それぞれの原因についての対策がいろいろ施されてきましたが、その一つが食品保存包装材の開発であり、特に外部から入り込まないよう遮断するバリアー性強化に主眼がおかれていました。一方、食材にもともと存在する水分、とりわけ多く含む多水分食品に対しては、遮断だけでは不十分で、包装の内部自体から水分を奪う乾燥剤の使用が昔から行われてきました。水分を多く含む食材の長期保存には、既に存在していた缶詰や瓶詰といった方法もありましたが、重かったり割れやすいといった弱点がありました。そこで考えられたのが、耐熱性と遮断性に優れたプラスチック包材を使って多水分食品を殺菌して長期保存させるという発想から生まれたレトルト食品でした。