海外発祥のレトルト食品の商業化は日本

レトルト食品の元となる発想は、アメリカで20世紀半ばに生まれたものですが、商業化の先鞭をつけたのは日本企業ということは、有名な話です。もともとは、軍人の携行食として重たい缶詰に代わるものはできないかということがきっかけで研究されていたもので、宇宙船アポロ11号に積み込まれ食されたことで一躍有名になったと言われています。レトルト食品に施されている対策には、耐熱性に優れたレトルトパウチというプラスチック包装材を使った中心温度121℃で4分相当という加熱処置で腐敗を起こす細菌の殺菌です。細菌にも好気性細菌と偏性嫌気性細菌という2種類が知られていますが、特に問題となるのが偏性嫌気性細菌のボツリヌス菌で、このためにレトルト殺菌を行うものです。この殺菌により初めて常温でも長期間の多水分食品の保存が可能となるものです。