プラスチックが食品容器として、幅広く使われ出したのには素材の開発とともに、多層化といった工業化への製造技術が大きく関わっています。とりわけ、20世紀後半に日本で開発されたエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)というガスバリアー性に優れた素材の登場は、工業化へ大きく弾みをつけたと言われています。マヨネーズの容器や練り歯磨きに使われているプラスチックチューブなどは、よく使用されるポリエチレン(PE)でEVOHを挟み込むことでガスバリアー性を著しく向上させています。マヨネーズ容器は金型に溶けた素材を流し込んで空気で膨らませて最終形状(ボトル)にするのに対し、練り歯磨きなどは接着を利用したラミネート(積層)チューブが使われています。ラミネートチューブは、使い勝手向上と共に、外面へのち密な印刷が可能となるもので、製造も印刷会社で行われることが多いと言われています。