必要とされるからこそ包む技術が発展してきたといえます。どのような需要があったか考えるには、まず、包装の役割を知るのが早いでしょう。
包むことに求められる役割の1つめは、中の物を守ることにあるでしょう。
壊れやすいものであれば、欠けたり割れたり潰れたりしにくいようにすることで、輸送手段の自由度が大きく向上します。
人間が摂取する食品の場合、腐ったり劣化したりするものが多いですから、そういったものの鮮度をキープするという役割も守ることに加わってきます。包装技術の発展で、湿気が大敵な乾物類・腐りやすい生鮮食品などの販売ルートが増えた他、保存期間ものびたといえるでしょう。
役割の2つめは、物を分けることにあります。
例えばお菓子のビスケットの場合、昔は欧米などと同じように、1袋の中に全てが入っていました。ですが日本では1袋を1度に食べるケースの割合が欧米の一般的な場合と異なり、少しずつ食べる人や、1人で食べる人、ちょっとずつ小分けで持ち歩きたい人などが多いです。そのため個包装のお菓子が人気を博しているのではないでしょうか。個包装にすることで、開封後の賞味期限・消費期限を延ばすことが可能になりました。
またいくつかをまとめて小分けにすることで、複数個を好きな組み合わせで持ち歩くなども簡単です。
役割の3つめは、いわゆるラッピングの要素というか、デザイン面です。
様々な類似商品があふれる中、実際に手に取ってもらえる確率は減ってしまいます。そこでパッケージのデザイン面を工夫することで、他社の商品と区別化することが可能なのです。
また商品説明をはじめとする、必要と思われる情報を印刷することで、購入者へ必要な説明をすることができます。包装技術の発展にともない、商品の種類によっては記載すべき情報の種類や記載に関する基準が法律で定められています。