ガラス容器って、意外と古いことを知っている人は少ないのではないでしょうか。確かに石器や土器よりは、人工的な素材を使用している分新しいのは間違いなさそうに考えられますが、西アジアや中近東で紀元前1500年頃と思われるガラス容器が出土されたとの報告もされています。包装容器としては、最も古いのではとさえ言われており、主に香油、化粧品、水差しなどに使われていたと考えられています。このガラス容器は、なかなかの優れもので、食品保存のための缶詰容器のベースと言われ、その影響力は絶大なものがあったそうです。もともとガラス容器は、特性として化学的安定性や容器そのものが無味・無臭のため香りや味の保存性に優れ、ガスや水蒸気の遮断性にも富む、形を自由自在に決められる、リサイクルも可能と良いことずくめにも見えますが、もちろん難点もあります。割れるというのは誰でも予想できますが、他に光の影響を受けやすく変色や酸化の原因となってしまうと言うことが挙げられます。このような点を解消すべく、いろいろな対策が施され使用されています。現在では、対策として成形後のガラス表面に紫外線を通しにくい酸化錫や酸化チタン成分を蒸着させたり、合成樹脂や界面活性剤塗布で特性向上や、軽量化を図っているようです。このような対策の甲斐あって、いまだ、酒類、ビール、ワインに始まって、特にアルコール濃度の高いウィスキーやブランデーなどの嗜好性飲料は独壇場と言えるかもしれません。さらに、牛乳、コーヒー、コーラ、ジュースからジャム、蜂蜜、食用油、調味料、哺乳瓶等と食品容器が発達した今日でさえいまだ使用され続けているというのはご承知の通りです。また特筆すべきはそのデザイン性を施せることで、香水等の高級容器としては他考えられないと言っていいかもしれません。