包装材の開発は時代の変化とともに

1980年代の包装の世界は、日本発の新技術も数多く開発されていきました。これらの日本の包装技術はアクティブパッケージとして世界に紹介されたといいます。そして欧米ではこの日本の包装をさらに進化させた技術開発が行われていきました。包装に関してもたくさんの書物が刊行されました。包装は技術的にも基礎的なことも進歩していっています。包装というのは、学術的な技術領域といえます。紙・金属・ガラス・プラスチックなどの原材料の製造から、包装原料への一次加工、印刷、製袋、成形といった二次加工、包材の商品への利用といった多くの技術分野の知識と経験が集積されてはじめて効果的な包装が可能になるのです。日本の包装技術は世界一といえるほど、きめ細かいものです。ただ、包装の技術の発展があまりにも速いということ、そして身近なものであったために、それを体系的に教育するという考え方がほとんどなかったといえます。包装というのは、物品を包んで装うことをいいます。日本では、モノを裸のままで人に渡すのは失礼と言われています。紙で包んだり、風呂敷や袱紗などに入れて渡すというのが習慣になっています。こういったことは機能的な包装であると同時に、心遣いのきめ細やかさを表しています。日本では包装にまつわる言葉で「つつましい」という言葉があり、これは優しい心を表しています。モノを運んだり、保護したり、保存したりするためにいろんな容器や素材を使って包装します。昔から木箱や缶、瓶、竹筒、かめ、樽、桶、俵、縄で束ねることもありますし、紙でくるんだりもします。卵や果物だったら籾殻や紙くずをくっしょんに使い痛みを防ぎました。包装は生活の一部といえます。