日本でのフィルム包装の歴史というのは、セロハンの開発から始まったと言っても過言ではないでしょう。
セロハンというのは、木材を原料として作られる「セルロース」という物質を加工したもので、スイスで発明されたのが始まりと言われています。日本での開発は大正時代に輸入されたことがきっかけで始まったと言われています。
戦争が始まる前頃から、セロハンの需要は高まったとされ、多くの製造業者が見られるようになった時代と言われています。昭和20年を過ぎた頃には「グラビア五色印刷機」というものが導入され、これを機に日本の特殊印刷が始まったと言われています。
食品包装で使用されている防湿セロハンの普及は、昭和40年を迎える頃に発売されたことが始まりとされているようです。そこから、山口県、愛媛県、三重県、神奈川県などの地域に石油化学コンビナートが誕生し、ポリエチレンやポリプロピレン樹脂を原料とするフィルムの大量生産が可能になったとされています。
この発展は、セロハン業界に大きな打撃をもたらすと懸念されたほか、天然資源のセロハンから人造資源のポリエチレンの普及による環境被害への懸念も高まっていたようです。
しかし、その後、セロハンとポリエチレンを貼合わせて作られたラミネートフィルム「ポリセロ」というものが開発され、インスタント麺などの包装に使用されたことから急激に普及したと言われています。
このポリセロという資材は、それぞれ二つの素材の長短を補い合い、包装用フィルムとして効果を発揮したことから、ポリエチレンとセロハンを共存させることにより、ブームと呼ばれるほどの広がりが見られたと言われています。これを機に、様々なフィルムが開発されるようになり、包装資材の技術開発は大きく成長を見せることになるようです。